rlmdi.
| ペリー・ローダン |

Thoregon

Der Sechste Bote / 第6使徒

1998/8/15 r.psytoh / 西塔玲二
- 監修 / y.wakabayashi

PERRY RHODAN Nr.1900 - 1924
NGZ1289年 / 銀河系とトレゴンの諸銀河で

無限架橋の果てに待つ伝説のバオリン=ヌダ!――そして、胎動する次なる危機


プロローグ

 ローダンは、その瞬間に起こったことを感じた。内から引き裂かれるような感覚。肉体の原子が、精神の個々の思考が、構成するすべての要素が、宇宙のいたるところへと散りばめられていく。そうして、すべての時の終わりへといたったとき、かれはふたたび、はじまりの場所へと還っていた。
「これで、終わりなのか?」と、力ない声でたずねる。
「そうだ。いまより、きみはトレゴンの第6使徒だ」

―― 新銀河暦1289年、バオリン=デルタ空間にて

 〈バオリン=デルタ空間〉の円蓋柱(ピルツドーム)の前で、ペリー・ローダンはただ見つめていた。
 ピルツドームが輝く。脈打つごとく明滅する。それは、〈ヘリオートス〉到来のしるし。ふたつ名〈光もたらすもの〉の示すとおり、光輝く――否、光そのものの球体。
 〈無限への架け橋〉をこえて、〈トレゴン評議会〉の使者は来た。
 ローダンは知っている。〈ヘリオートス〉来訪の目的が、他でもない、ローダン自身であることを。

 テラナーは想起する。
 ヒルドバーン銀河におけるヴォルタゴの予言――「どれほどの代価を支払うことになろうとも、きみは渡らねばならない」
 ローダンは予言どおり、〈蜂窩〉の扉を開き、〈無限への架け橋〉を渡る道へと歩みだした。〈バオリン=ヌダの武器庫〉。ガローン人の銀河プランタグー。ノンッゴのトイラー系。ノンッゴから借りうけた《カウラング》で〈シャオゲン天界〉銀河をめぐり、ついにたどりついた超空間泡〈バオリン=デルタ空間〉。そのどこでも、〈トレゴン連合〉は謎の敵シャバッザにより壊滅的な打撃をうけていた。
 シャバッザの魔手は〈トレゴン連合〉の加盟候補種族――まだなにも知らないテラナーにも向けられた。トルカンダーの襲来により、数十億のギャラクティカーが犠牲になった。暴走させられた〈ヘリオートスの堡塁〉がテラニアに運んだ異銀河の略奪者ジェルロは、テラの首都を荒廃させていた。
 〈ヘリオートス〉はローダンに〈第6使徒〉に就任するよう要請した。
 ローダンはためらう。
 人類は、ローダンたち不死者を疎んじ、みずからの判断で、好ましからざる危険な権力の綱渡りをはじめている。だからこそ、ローダンはテラを離れ、キャメロットを創設したのだ。
 人類は自分に失望した。自分もまた、人類に失望したのではなかったか?
 テラナーの想いに〈ヘリオートス〉が答える。問いかけの形で。
 人類は……ペリー・ローダン……まだ、きみの種族ではないのか?――と。

 ソル系、第四惑星トロカン。
 ヘーリークの大都市モーンドに隣接する広場は、テラナーによる厳重な監視下におかれていた。強力なバリアがはりめぐらされている。
 すべては、広場――かつてクメログ神殿があったところ――の中心にそびえるピルツドームのため。
 だが、新銀河暦1289年も終わろうとするある日。
 ピルツドームが光りはじめ――やがて柱を抜け出た光の球はすべての封鎖措置をすりぬけトロカンを離脱。ノヴァ級戦艦の封鎖環をやりすごし、テラ、オーストラリア上空に達した。
 光――〈ヘリオートス〉は告げた。
「わたしは〈トレゴン〉の使節。人類に〈トレゴン〉加盟を要請するためにきた。
 人類は〈トレゴン〉第6の種族となるべきもの。われわれは、長いあいだきみたちを待っていた」
 〈ヘリオートス〉はテラナーたちに語りかけた。
 シドニーで、北京で、ニュー・シカゴで、カルカッタで、テラニアで。
 地球のすべての住人が、同時にトレゴンの使者の言葉を聞いた。
 〈ヘリオートス〉の問いかけは、単純なものだった。
 ――きみは幸福か。
 ――胸中に秘めた夢はあるか。
 問いかけは、テラナーたちの心につきささった。
 コスモクラートと訣別し活性装置所持者たちを排斥した人類は、銀河系の権力のコンチェルトの中でより良いパートを占めるためだけに邁進してきた。そのゆくすえに何が待つというのか。
 いまの自分たちに「ヴィジョン」と呼べるものがないことを、テラナーたちは痛感させられたのだ。
 〈ヘリオートス〉は、つづけて語る。
 ――〈トレゴン〉に加わりたまえ、と。
 〈トレゴン連合〉は〈無限への架け橋〉に結ばれ、〈トレゴン憲章〉をかかげる複数銀河の連合組織。〈無限への架け橋〉の起点という〈始源の門〉の向こうにある〈トレゴン評議会〉により創設された。〈トレゴン連合〉とは、個と総体とを等しく尊重し、構成者がたがいを護り、平和に共存する未来をめざすもの。
 遠くかかげたその目標は、努力するに値しないだろうか?
 光輝く〈ヘリオートス〉は、現われたときと同様、唐突に去っていった。
 その残照が消えうせぬうちに、テラナーは悟っていた。
 人類に、ふたたび一大転機が訪れたことを。
 ――〈トレゴ ン〉に加わりたまえ。
 〈ヘリオートス〉は呼びかけた。
 いまこそ、失くしたものを……いや、忘れていたなにかを、とりもどす時なのだ、と。
 だれも、回答を口にしなかった。
 だが、否、と言えるものがいるだろうか?

 ローダンは、〈ヘリオートス〉の言葉が人類にポジティヴな意識改革をもたらしたことを疑わなかった。おそらく、遠からぬ未来、テラナーたちは〈トレゴン連合〉に加わる決断をくだすだろう。
 〈ヘリオートス〉はローダンに〈第六使徒〉に就任するよう要請した。第6種族テラナーと〈トレゴン評議会〉を結び、脅威にさらされた〈トレゴン連合〉を守り、シャバッザの正体をあばくために。
 拒否する理由はなかった。
 テラナー、ペリー・ローダンは、トレゴンの〈第6使徒〉となった。
 バオリン=ヌダの生存者タウタンビルクも〈第3使徒〉に任じられた。時をおなじくして、プランタグー銀河の惑星ヘルター・バーケンではカイフ・キリアタが、ゴルホーンの〈天輪〉ケントイレンではダウン・ケムペシュ・コルトが新しい〈使徒〉に任命されていた。
 〈ヘリオートス〉は、〈第6使徒〉として最初の使命をローダンに告げる。
 《トレゴン6》奪回――ローダン専用の〈使徒の船〉たるべき全長6500メートルの鉄亜鈴型の船は、いまシャバッザの手中にあるという。
 船のかつての名は――《ソル》!

「めんどくさいな~《ギルガメッシュ》の名前変えればいーでないの――とローダン」
「そーゆーもんだいじゃないんだ――と〈ヘリオートス〉」
「理由を教えてください」
「ではさらばだ、ペリー・ローダン……って?」
「けっきょく理由はいわないのだね」
「をい」

トレゴン憲章
1.トレゴンは加盟者の生命と文化を守る
2.個と全体は等価値。上位の目的のために個々の安寧を犠牲にしてはならない
3.トレゴンは平和のために闘う


1 バオリン=ヌダ

 ノルガン・テュア銀河に発したバオリン=ヌダ種族は、見たところさしわたし数十センチメートルの肉塊。通常は乗りこんだ身長1メートル程度のヒューマノイド型マクロ・ボディを精神の力で動かす。
 バオリン=ヌダは超技術のエンジニア。10万年前、この種族は、ポルライターの遺産を保守し、応用し、〈深淵の騎士団〉に供給することを使命としていた。ずっと後にテラナーが目にすることになる、セト・アポフィスの〈手袋〉も、タウレクのマイクロロボット兵団も、バオリン=ヌダ歴代のエンジニアがかかわったもの。
 だが、ある日、〈ヘリオートス〉があらわれた。
 もたらされたのは驚くべき知らせ――当時すでに形骸化し、運営の大半をアンドロイドや時々の協力者にゆだねていた〈深淵の騎士団〉は、バオリン=ヌダの超技術の助けをかりて、こともあろうにさまざまな災厄を宇宙にもたらしていた。困惑するバオリン=ヌダ。対して、コスモクラートの使者カイロルの要求は、日に日に高圧的になっていく。
 7万7000年前、53隻の巨船からなるバオリン=ヌダ移民船団はカイロルの封鎖艦隊を破り、ノルガン・テュア銀河を出奔。〈ヘリオートス〉が推奨する銀河シャオゲンに超空間泡〈バオリン=デルタ空間〉を創造し、そこを第二の故郷とした。
 やがて、シャオゲン銀河が異種族の侵攻をうけ、原住種族の平和と〈バオリン=デルタ空間〉の秘密が脅かされたとき、バオリン=ヌダは〈シャオゲン星光〉を建設する。超空間から放たれる〈シャオゲン星光〉はこの銀河を周期的にスキャニングし、異種族を探知し抹殺するのだ。
 〈ヘリオートス〉が来訪する――〈トレゴン連合〉への加盟要請をたずさえて。
 〈シャオゲン星光〉建設はいわばバオリン=ヌダの最初の戦い。守るべきもののために、自分の技術を自分の手ではじめて投入した。これにより、〈トレゴン評議会〉は、バオリン=ヌダの内に「平和のために闘う」力を認めたのだ。
 当時、他の候補種族はまだ発展の途上にあった。バオリン=ヌダは〈トレゴン連合〉のエンジニアとして、きたるべき同盟者を迎える準備をすすめる。
 〈バオリン=ヌダの武器庫〉――将来〈トレゴン連合〉の警察種族となるはずの種族に供する倉庫には幾多の超技術がおさめられた。ヴァーチャル・シップ――〈トレゴン評議会〉の委託と技術供与をうけて1隻あたり3000年をかけて製造した18隻は、〈トレゴン評議会〉にひきとられ、発進の時機を待っていた。〈ヘリオートスの堡塁〉――〈トレゴン評議会〉から供された〈無限への架け橋〉は〈ヘリオートス〉と〈通行証(パッサンタム)〉をもつ歴代の〈使徒〉だけのもの。〈ヘリオートスの堡塁〉はトレゴン種族成員の自由な往来のために供されるのだ。しかし、試作機1基が完成するころには、後続の建造はガローン人に引き継がねばならなくなっていた。
 バオリン=ヌダ種族は衰退しつつあった。成員数は減少し、巨大プロジェクトを完成に導くことはもはや難しい。
 数千年前、外交官種族ノンッゴが〈トレゴン連合〉の宙域を脅かす災厄にあたった。ノンッゴが〈バオリン=ヌダの武器庫〉から選んだ兵器は、4つの災厄を消し去り、4つの災厄を封印する。
 やがて、時はくる。第6種族候補テラナーは成熟しつつあった。だが、それは〈トレゴン連合〉の崩壊を企図する謎のシャバッザの暗躍のはじまりも意味していた。

「その事件――名づけて『使徒不明または連続殺人事件』は新銀河暦1222年、遠い銀河系と銀河系のあいだで起こった惨劇から幕をあけた」
「『無限架橋の果てに暴力(ガローン)と回路(トイラー)と愛に泣く伝説のうにょうにょ(バオリン=ヌダ)を見た!――ローダン、ブリー異銀河のほほんふたり旅――そのころ銀河系も滅亡寸前っ!』」
「うにょうにょ……?」

 突然〈バオリン=デルタ空間〉を満たした死のインパルスは、バオリン=ヌダ種族を壊滅させた。〈第3使徒〉クンターヘルとその救難信号に応えて来訪した〈第2使徒〉ケ・リオトンの死。生きのびたのは、タウタンビルク以下わずか3体のバオリン=ヌダだけ。
 解放された第1の災厄〈ゴエッダ〉の銀河系来襲。警告しようとした〈第4使徒〉ゼンディキル・ペルヴォラト・ゾウンの殺害。第2の災厄〈カオスメイカー〉のトイラー系襲来。プランタグー銀河を荒廃へと導く破壊工作。〈ヘリオートスの堡塁〉の暴走と破壊。
 〈トレゴン連合〉は深刻な打撃をうけた。しかし、トレゴンはまだ失われたわけではない。銀河系は生きのび、ローダンはプランタグー銀河とトイラー系を破滅の寸前で救うことに成功した。
 そして、〈トレゴン連合〉は反撃に転じる……。


2 ザルメンゲスト/ボイラー震

 ペリー・ローダン一行は、《カウラング》で、《ソル》の手がかりをたぐるためワールプールに発進する。ワールプールは、銀河系から2300万光年の距離にある近接する二銀河ダ・グラウシュ(NGC5194)とザルメンゲスト(NGC5195)の総称。ダ・グラウシュ銀河から小型の伴銀河ザルメンゲストに伸びた物質橋のエネルギー乱流〈ボイラー〉――そこに発する構造震動〈ボイラー震〉は不定期に両銀河の惑星を見舞い、破壊していた。

「ヘリオートスの未確認情報によれば、《ソル》を物質橋のどこかでみかけた人がいるとかいないとか」
「もーとっくにどこかにいってるのでは?」
「信憑性に欠けるよな~」
「先行きくらいよな~」
「『よし、いくぞ!』」
「わかりやすいやつ……」

 ザルメンゲスト銀河にさしかかった《カウラング》船内で、バオリン=ヌダから譲りうけたテスマ技術が暴走。遭難した一行はセチェン人に救助されるが、やがてボイラー震が惑星セチェンを襲う。ローダンたちは震動探究者アイスマー・ステールメンゴルトの《グリマー》に強引に便乗し、崩壊する惑星から脱出する。やがて、疎開星系のセチェン人のために奔走するローダンの資質を認めたアイスマーは、ローダン一行を《グリマー》の正式な乗客としてダ・グラウシュ銀河に向かうことを承諾する。


3 惑星クラヨ/時の牢獄

 1289年、銀河系に襲来したトルカンダーの謎を追い求めるうちに炉座銀河で消息を絶ったイホ・トロトとグッキー。ふたりは未知の宇宙船内部で目覚める。奇妙な暗示命令を植えつけられて――「〈ジィ・ネヴェヴァー〉を解放せよ!」
 かれらは、故郷銀河から1600万光年を隔てた島宇宙プイドルにいるらしい。この宇宙船では1600万光年の深淵を越えることはできないと結論して、ふたりは暗示命令が指定する惑星クラヨへとむかう。
 ターボ・タイム、フローズン・タイム、パラドックス・タイム――さまざまな効果を示す時間フィールドが動き回る危険な地表にも、活動する者たちがいた。稀少鉱石を採掘する〈クロノーツ〉たち。クロノーツと対立する〈時の主人〉トーリックの組織――トーリックの正体はマイクル・ローダン! マイクルもまた「〈ジィ・ネヴェヴァー〉解放」の指令を植えつけられてプイドルに漂着していたのだ。まもなく、3人はフローズン・タイムに囚われていたジュリアン・ティフラーと合流。
 一行は、数千年の昔に封印されたという「プイドルの夢女」〈ジィ・ネヴェヴァー〉の牢獄へとたどりつく。4人のもつ解放の鍵がそろうとき、歪んだ時の牢獄パラドックス・タイムに囚われた〈夢女〉が、ゆっくりとその姿をあらわした。携行するインフォ・ボックスが作動し、4人に暗示命令を植えつけた存在――シャバッザのメッセージが流れはじめる……。

「『はぁ~い。ボ・ク・はシャバッザっていうのさ~。助けてあげたんだから、ボクのお願いをきいてくれるよね~?』――って」
「『いや』」


4 ファクターエレメント・アラシャン

 1289年10月4日。暴走した〈ヘリオートスの堡塁〉はテラニア南部のアラシャン区を乳白色のファクターダンプ・フィールドに包んだ。そこに住む20万の人々、居合わせたアラスカ・シェーデレーアは驚愕する。フィールドの向こうは見知らぬ惑星。かれらのいるファクターエレメントは略奪者ジェルロの城《グーシャラン》と入れ代わりに、ダ・グラウシュ銀河の惑星トリムに移送されたのだ。
 さいわいなことに、ジェルロ艦隊は〈ヘリオートスの堡塁〉爆破の余波を受けてすでに壊滅状態。対するアラシャンは宇宙船も武器もない商業地区だが、テラ連盟公安局(TLD)が本部をかまえていた。TLDチーフ、ジア・ド・モレオンは市民を組織し、ジェルロの地表パトロール部隊と残存艦隊を計略で撃退。だが、やがて無情にもファクターダンプ・フィールドは消滅。アラシャンの人々にとってソル系帰還の希望は失われた。

「温和で引っ込み思案のトリム住民トリマーとの心あたたまる交流の物語」
「迷子の犬さがして」
「ロックコンサートして」
「かんどー」
「うまいんだなーコレが」

 民主国家アラシャンの創設。人心を結集すべく行われた〈第一市民〉選挙に当選したステンダル・ナヴァホは、スクラップから組み立てた唯一の宇宙船《グッド・ホープⅢ》を近隣の自由商業惑星クリスタンに派遣。テラ技術を元手に交易をはじめる。
 トリマーの首都ゾルテンガームからアラシャンへの給水施設の建設――トリマーとの最初の共同作業が竣工するころ、星系に未知の転子状船が出現。アラスカを乗せて飛び去った。アラスカは言い残す。
「〈ヴァーチャル・シップ〉がわたしをパイロットに選んだのだ」
 やがて、ペリー・ローダンがアラシャンに到着する。テラ技術の流通経路をたどって惑星クリスタンへ。そこで、《グッド・ホープⅢ》に遭遇したのだ。


5 ジィ・ネヴェヴァー

 〈ジィ・ネヴェヴァー〉はシャバッザの要求を拒絶。ふたたびプイドル銀河に〈悪夢〉の触手を伸ばしはじめた。
 まず〈悪夢〉にとらわれたマイクル。シャバッザの暗示と迫る〈悪夢〉から逃れたイホ・トロト、グッキー、ティフラーの3人は、〈ジィ・ネヴェヴァー〉発祥の惑星ケトホルに逃走。しかし、ジィ・ネヴェヴァーを生み出した種族ネヴェヴァーはすでに退行し、助力は得られそうになかった。やがて、〈悪夢〉はケトホルにせまる。3人には、逃亡をつづける以外の道はなかった。

「『ボンジュールっ、ワタクシこそ〈ジィ・ネヴェヴァー〉さま第1の下僕っ』」
「〈夢将軍〉マイクル・レジナルド・ローダン!?」


6 銀河系/ミルカンドル計画

 トルカンダーの襲来、ジェルロのテラニア略奪、ヘリオートスの来訪――テラでは、権力者パオラ・ダシュマガンやキストロ・カンに対する不満が表面化。総選挙を間近にして、テラ政界は波瀾の様相を呈しつつあった。
 一方、アトランは、故郷アルコンにうずまく陰謀のシュプールを追っていた。極秘計画のコードネーム〈ミルカンドル〉は、アルコンIに建設予定の大宮殿都市の名であることが判明。アルコン人の水晶帝国は、〈ヒューマニドローム〉に代わるギャラクティカム議場として都市〈ミルカンドル〉の名を銀河に公表する。しかし、ロナルド・テケナーは、〈ミルカンドル〉がアルコン諜報部の管轄下にあること、盗聴ネットワークがはりめぐらされていることを暴露する。
 あいかわらず、銀河系は不穏であった。

「こ……こんな話に……なるんですか?」
「こんなもんじゃないよぉ。まだゾウアザラシが出てきてないでしょ?」

 テラとアルコンの動揺をよそに、平和を愛する種族ソルモスの「平和を説く」銀河系周航がはじまる……。

「ゾウアザラシの純粋で無私の活動を伝えるニュースに、人々はすさんだ心をなぐさめ、はらはらと涙するのであった」
「ほんとか? って、こんなことしていていいんだかなんなんだか」
「先が読めない展開だね」
「そして、ローダンは!?」
「ボクむっちゅう……ばぶばぶ」
「ちがうぞ」

第6使徒よ、どこへ行く - Der Sechste Bote, Quo Vadis?


Der Sechste Bote / 第6使徒
――from Private Cosmos 20
1998/8/15 r.psytoh with y.wakabayashi
produced by rlmdi.