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| ペリー・ローダン |

TARKAN RUFT! / タルカンが呼ぶ!

r.psytoh / 西塔玲二
- 監修 / y.wakabayashi

PERRY RHODAN Nr.1300 - 1349
NGZ445-447年
銀河系、力の球形体エスタルトゥ、そしてピンホイールで

TARKAN RUFT! / タルカンが呼ぶ!


目次
I 網を歩む者たち / Die Gänger des Netzes
II タルカン / Tarkan


究極の第三の謎――〈法〉は何者が作り、何が記されているのか?
この宇宙が針の先よりも小さく、そして非常に高温だった時代がある
そこでは、すべてが混沌として溶けあい、
物質も法則も、まだ確かな形をとることはできずにいたという
やがて、空間が膨張し、同時に宇宙が冷えはじめ、
そうして、今日の星々や生命を形作る素材と〈法〉が生まれてきたわけだが……
うらやましいことに、
極微の世界の素粒子たちは、今でもそのころのことを覚えていて、
ときどき、こうやって囁きかけてくる
「宇宙には、もっと別の可能性だってあったんだ」――と


登場人物

ペリー・ローダン
大宇宙の後継者
ペリー・ローダン
大宇宙の後継者
アトラン
時の外にひとり立つ者
エイレーネ
物質の泉両岸の混血児
アラスカ・シェーデレーア
かつてのマスクマン
グッキー
ネズミ=ビーバー
ジェフリー・ワリンジャー
天才超物理学者
レジナルド・ブル
ヴィーロノート
ボニファチオ・スルチ
ブルの副官
ロナルド・テケナー
スマイラー
ロワ・ダントン
かつての自由商人の王
ラトバー・トスタン
銀河ギャンブラー
ジュリアン・ティフラー
GOIのチーフ
ニッキー・フリッケル
PIGのチーフ
シド・エイヴァリット
GOIのパラテンソール
ポエル・アルコーン
PIGのパラテンソール
エイハブ船長
ストーカー
ペレグリン
神秘的な老人
イジャルコル
ジオン・ゾムの永遠の戦士
ペリュフォール
ムウンの永遠の戦士
ライニシュ
五階梯の館のリーダー
ファラガ
五階梯の館のナック
ソト・ティグ・イアン
銀河系の覇者
ウィンダジ・クティシャ
恐怖のハンター
ダオ・リン・ヘイ
カルタン人伝承者
オーグ・アト・タルカン
ウパニシャド創設者
〈それ〉
人類の導師

『タルカン』が呼んでいるような気がする

 1988年9月……3年越しの『エスタルトゥへの道』をようやく本にして、平穏な日々が帰ってきた――ような気がする古都・鎌倉に、筑波の山奥からぶ厚い封筒が届いた。
「やっほー、第1稿です。タイトルは、そだな

エスタルトゥへの道III〈完結篇〉
プロジェクト・メーコラー
PERRY RHODAN Nr.1350-1399

でどうでしょう? あ、『タルカンが呼ぶ!』もよろしく。
――西塔れいじ 拝」
 そうして、変色した感熱紙の束をもとに『エスタルトゥへの道II』を編集するという――まあ、なんだ、新たなる戦いが始まったのである。


「さて、読者からの質問です――銀河系はどうしてスティギアンに負けてしまったのでしょう?」

「実は『エスタルトゥへの道』編集陣もよくわからない、という大問題――うははは」

「ようするに『V』みたいに、最初は善意の押売り」

「しかも超技術力と超戦闘力にくわえて、ちょっと反論できないエセ宗教」

「改宗兵器・法典分子ガスってのは、やっぱり反則のような気がするけど」

「そうして、レジスタンス戦士の勇気に捧げる……というか、押しかけ宗教法人と玄関口で戦う奥さんに捧げる物語になってしまったわけね」

「とにかく、訪問販売とアンケートは怖いぞ、という……」

「時代のニーズを先取りするSFと呼ばれるゆえんであります」

「言ってない言ってない」


シュレーディンガーの猫

Die KATZE von Schrödinger 1989/2/15 neu

諸元:(推定・たとえば)

全長80㎞、全幅25㎞、全高18㎞の不規則形態
主要部は一辺2m弱の立方体で充分であろう

技術データ:

1. 照明電源・空調外付ユニットなど
2. 透視不可能な超合金製の箱
3. 照明
4. 空調装置
5. 毒ガス・タンク
6. 放射性物質を入れた鉛罐
7. ガイガー計数器
8. 毒ガス・コック自動開閉装置
9. 超合金製のハッチ
10. ねこ

解説:

20世紀の物理学者エルヴィン・シュレーディンガーが提唱した思考実験。実現は至極簡単だが、主としてモラルの問題から、いまだに行われたことがない(らしい)。
量子力学の基本的な概念〈不確定性原理〉によれば、素粒子の世界の事象はすべて確率で記述される。そのため、充分に多くの素粒子の振舞いであれば確実に予測できるこの学問は、ある一個の素粒子の行動を確定するにはまったく無力なのだ――この〈シュレーディンガーの猫〉はそのことを端的にあらわしている。
たとえば、ある放射性の原子(崩壊過程でガンマ線を出す)が1時間以内に崩壊する確率を50パーセントとする。その原子をガイガー計数器と猫、そして毒ガスとともに箱に納める……原子が崩壊すれば、ガンマ線は計数器に検知され、毒ガスの栓をひらき、猫を殺す仕掛けである。1時間後、もし装置が充分な数ある場合なら、猫の半分が死んでいるのは明らか。しかし、たとえ装置が1基だけの場合でも、量子力学の答えはやはり「猫の半分が死んでいる(?!)」ことを示している。
――では、この実験が現実に行われたらどのような結果がでるだろうか。これまで量子力学の実験はつねに生命に関係ないところで実施され、計測されてきた。ことによると〈シュレーディンガーの猫たち〉の生存率は計算よりわずかに高い――などという、思いもかけない結果が得られるかもしれない。場合によっては前人未踏の真理、たとえば「宇宙が生命を優遇する」というような法則が、この実験から証明される可能性さえある。
だが、宇宙の怒りをおそれ、あるいは猫を愛する人々は、この興味ぶかい実験をあえて行おうとはしない。

はじまり |


TARKAN RUFT! / タルカンが呼ぶ!
1989/2/15 r.psytoh with y.wakabayashi
produced by rlmdi.