rlmdi.
| d-information | シリーズ/作家 | ペリー・ローダン |

d-information

923 [2016/04/11]


Perry Rhodan を中心とするドイツSFと周辺エンターテイメントの断片的情報を、私的興味の範囲でお送りします。

[このメールは登録者に無料で配布しています]
[解除はこちらから http://www.rlmdi.org/rlmdi/di/ ]


◆目次
◇クルト・ラスヴィッツ賞 2016
◇ドイツSF大賞 2016
◇ペリー・ローダン近況


◆クルト・ラスヴィッツ賞 2016

 本年の Kurd Laßwitz Preis の長篇部門、短篇部門のノミネート作品を。
 授与式は、9月17日、ライプツィヒの ElsterCon にて。

□ Bester deutschsprachiger SF-Roman 国内長篇部門ノミネート作品

・Andreas Brandhorst / Das Schiff / 船

「人類が不死を現実のものとした未来――」
「でも、超光速航行は実現できていない未来――」
「不死にあやかれないマインドトーカーと呼ばれる人々には~」
「でも、心を光より早く遠くに飛ばす異能がありました」
「かれらは高度な文明を築いたムリアーの遺産を探していて~」
「――!」
「数百万年のあいだ眠っていた敵を、起こしてしまうのです」

 ――ドイツSF大賞でもノミネート。Piper 社

・Robert Corvus / Grauwacht / 薄明の見張り

「自転周期が数十年という惑星ビソラ」
「惑星の昼側に、両棲類の知性種族サッセクが暮らし~」
「惑星の夜側に、人類が暮らし~」
「あいだの薄明帯を〈薄明の見張り〉が見張って~」
「サッセクと人類は、棲み分けて、共存してきたのです」
「ところが、ある日――」
「――夜空に、青い光が見える?」
「――夜側の面積が、減りはじめた?」

 ――Piper 社

・Dietmar Dath / Venus siegt! / 金星は勝利する!

「金星で、数百年がかりで~」
「――人類とロボットと人工ネットワーク知性は、平等に生きられるっ」
「てなコトを確認する、壮大な実験」
「そこで~」
「既存の価値観をくつがえす~」
「いわゆるひとつの革命がおきました」
「政治家にして、プログラマーのレオナ・クリステンセンさんは~」
「いわゆるひとつの独裁者になったのです」

 ――Hablizel 社

・Matthias Falke / Kampf mit den Tloxi / トロクシとの戦い

「《マルキ・ド・ラプラス》を母船とする~」
「調査船《エンテュメシス》の物語」
「……」
「Enthymesis エンテュメシス・シリーズの新三部作の1作目」

 ――Begedia 社

・Frank W. Haubold / "Götterdämmerung"-Trilogie / 神々の黄昏・三部作
 Die Gänse des Kapitols / 議会のガチョウたち
 Das Todes-Labyrinth / 死の迷宮
 Das Licht von Duino / ドゥイーノの光

「遠い未来、銀河系に広がった人類を描く~」
「いわゆるひとつのスペースオペラ」

 ――ドイツSF大賞では『ドゥイーノの光』を単独でノミネート。Atlantis 社

・Frank Hebben / Der Algorithmus des Meeres / 海のアルゴリズム

「海辺のホテルで~」
「すべてを包みこむ海の影響のもとに暮らす者たち」

 ――Begedia 社

・Axel Kruse / Glühsterne / 灼熱の星々

「何百年の孤立の後に~」
「惑星ダリアは、再発見されました」
「と」
「――ヒト種族の中で、謎の殺人事件が?」
「――原住民が、犯人なのか?」

 ――p.machinery 社

・Harald Martenstein & Tom Peuckert / Schwarzes Gold aus Warnemünde / ヴァーネミュンデ産の黒い黄金

「1989年――」
「バルト海に油田が見つかり、東ドイツは産油国に」
「という架空の世界」

 ――Aufbau 社

・Phillip P. Peterson / Paradox-Am Abgrund der Ewigkeit / パラドックス――永久なる奈落の縁で

「近未来――」
「――太陽系の端で、探査機が3機も消息不明に?」
「かくして」
「人類は太陽系の端に向かう、初の有人宇宙船を仕立てて~」
「――!」
「すごいモノを見つけるらしい」

 ――ドイツSF大賞でもノミネート。Bastei Lübbe 社

・Leif Randt / Planet Magnon / 惑星マグノン

「賢いコンピューターが公平に治める~」
「宇宙の彼方の、ある恒星系の物語」

 ――Kiepenheuer & Witsch 社

□ Beste deutschsprachige SF-Erzählung 国内短篇部門ノミネート作品

・Kilian Braun / Überwachung dringend empfohlen / 喫緊に監視を推奨
 ――短篇集 Weltentor『世界門』に収録、Noel 社

・Christian Endres / Out of Memory / アウト・オブ・メモリー
 ――『Exodus』33号に収録

・Uwe Hermann / Versuchsreihe 13 / テストナンバー13
 ――短篇集 Peggy Weber 編 Das Amt für versäumte Ausgaben『未達経費消化職』に収録、CreateSpace

・Karsten Kruschel / Was geschieht dem Licht am Ende des Tunnels? / トンネルの終点で光に何がおきるか?
 ――『Nova』23号に収録

・Michael Marrak / Das Lied der Wind-Auguren / 風の歌――鳥占い
 ――『Nova』23号に収録

・Jacqueline Montemurri / Sonnenmondfinsternisstern / 日月触星
 ――短篇集 Peggy Weber 編 Die Magnetische Stadt『磁力都市』に収録、Verlag für Moderne Phantastik 社

・Uwe Post / Cyber Space Pirates Yo-Ho! / サイバースペース・パイレーツだよ!
 ――コンピュータ雑誌『c't』2015年25号に収録、Heise 社

・Gard Spirlin / Robowrite / ロボライト
 ――コンピュータ雑誌『c't』2015年9号に収録、Heise 社

【関連サイト】
・Kurd Laßwitz Preis のサイト
[ http://www.kurd-lasswitz-preis.de/ ]


◆ドイツSF大賞 2016

 本年の Deutscher Science Fiction Preis ノミネート作品を。
 8月13日、オルデンブルクにおけるSFCD大会で結果発表の予定。

□ Bester deutschsprachiger Roman 長篇部門ノミネート作品

・Dirk van den Boom / Meran / メラン

「銀河機構の若手領事官カシミール・ダックセルが主役のシリーズ」
「Eobal『エオバル』、Habitat C『ハビタットC』に続く3作目」
「……」
「惑星エオバルの領事官カシミール・ダックセルは~」
「殺人事件に巻きこまれて~」
「あらぬ嫌疑で拘束された、トカゲ種族の美女を救うため~」
「随員のジョセフィーヌ・ザントと共に~」
「惑星メランへ向かうのです」

 ――Atlantis 社

・Andreas Brandhorst / Das Schiff / 船
 ――クルト・ラスヴィッツ賞でもノミネート。Piper 社

・Dirk C. Fleck / Feuer am Fuß / 足もとに火がついた

「2028年――」
「環境破壊の果てに、さまざまな価値観が崩れゆく世界」
「著名なジャーナリスト、コーディングは~」
「タヒチにおもむき~」
「――ここに、新たなエコがっ」
「出会うのです」
「――ここに、愛しのメーヴァがっ」
「恋に落ちるのです」
「……」
「とかいう具合に、はじまる~」
「Die Maeva-Trilogie メーヴァ三部作」
「本作は~」
「Das Tahiti-Projekt『タヒチ計画』~」
「Das Südsee-Virus『南海ウィルス』~」
「に続く最終巻です」

 ――Greifen 社

・Frank W. Haubold / Das Licht von Duino / ドゥイーノの光
 ――クルト・ラスヴィッツ賞でノミネートされた「神々の黄昏・三部作」の3作目、Bastei Lübbe 社

・Phillip P. Peterson / Paradox-Am Abgrund der Ewigkeit / パラドックス――永久なる奈落の縁で
 ――クルト・ラスヴィッツ賞でもノミネート。Bastei Lübbe 社

□ Beste deutschsprachige Kurzgeschichte 短篇部門ノミネート作品

・Gabriele Behrend / Tremolo / トレモロ
 ――『Nova』23号に収録

・Frank Böhmert / Operation Gnadenakt / 恩寵作戦
 ――『phantastisch!』57号に収録

・Uwe Hermann / Der heilige Wasserabsperrhahn / 聖なる防水栓
 ――短篇集 Peggy Weber 編 Das Amt für versäumte Ausgaben『未達経費消化職』に収録、CreateSpace

・Boris Koch / Ein glücklicherer Ort / もっと幸せなところ
 ――『Exodus』33号に収録

・Frank Lauenroth / Diese verdammten Alienzombieroboterviecher / このいまわしいエイリアンゾンビロボ畜生ども
 ――短篇集 Peggy Weber 編 Die Magnetische Stadt『磁力都市』に収録、Verlag für Moderne Phantastik 社

・Guido Seifert / Le Roi est mort, vive le Roi! / 国王崩御、国王万歳!
 ――『Nova』23号に収録

・Norbert Stöbe / Shamane' / シャーマン
 ――『Nova』23号に収録

・Christian Weis / Der Zwillingsfaktor / 双子要因
 ――『Exodus』33号に収録

【関連サイト】
・ドイツSF大賞のサイト
[ http://www.dsfp.de/ ]


◆ペリー・ローダン近況

□ Perry Rhodan-Heft

2850 . Wim Vandemaan & Christian Montillon / Die Jenzeitigen Lande / 時の彼方の国
2851 . Christian Montillon / Die Mnemo-Korsaren / 記憶私掠者たち
2852 . Leo Lukas / Spaykels Rache / スパイケルの復讐
2853 . Oliver Fröhlich / Im falschen Babylon / 偽りのバビロンにて
2854 . Oliver Fröhlich / Der letzte Mensch / 最後の人類
2855 . Michelle Stern / Der Linearraum-Dieb / リニア空間泥棒
2856 . Verena Themsen / Spiegeljunge / 鏡の少年
2857 . Michael Marcus Thurner / Die Hyperfrost-Taucher / ハイパー氷潜行隊
2858 . Christian Montillon / Hüter der Stahlquelle / 鋼の泉の守護者
2859 . Uwe Anton / Die ParaFrakt-Konferenz / 時割れ会議

□ Perry Rhodan-Heft 2850話「時の彼方の国」
[ http://www.perry-rhodan.net/band-2850-die-jenzeitigen-lande.html ]

 (承前)

 〈時の彼方の国〉を覆う膜の外側の、いわゆる〈新たな地〉――

「ジュリアン・ティフラー」
「アトラン」
「ルア・ヴィルタネンさん」
「フォーゲル・ツィールロス」
「〈計量官〉」
「一同は~」
「ファウトのタンの渡し舟に乗りこみ~」
「――ひゅん」
「一瞬で、到着」

 〈時の彼方の国〉――

「渡し舟が到着したのは~」
「〈此在の島〉のひとつ、ヴェステ・タウ」
「――20世紀のニューヨークのセントラルステーションを彷彿とさせるな」
「――もちろん、随分と巨大ですが」
「とか、ロートルが語っていると~」
「高さ3mのラーヴァランプ(音声機能つき)があらわれて~」
「――ようこそ、新来者のみなさん」
「――当地では入念な入国審査があります」
「とはいえ」
「今般の訪問者一同に関しては~」
「テズが身元を保証するというコトで~」
「滞在、周遊、出国について問題はなさそう」
「チュートリアルによれば~」
「――ヴェステ・タウは~」
「――〈時の彼方の国〉をなす〈此在の島〉のひとつです」
「――外側には~」
「――ただ熱的平衡に至った終末の宇宙があるだけです」
「――〈此在の島々〉は~」
「――テズが記憶しているから、存在を続けているのです」
「――独自の因果律を有する超越域によって~」
「――熱的平衡から遮蔽されているのです」
「その後~」
「ジュリアン・ティフラーが~」
「ファウトのタンから聞いたところによれば~」
「――〈此在の島々〉ヴェステ・タウは?」
「――裁判官マタン・アダル・ジャバリムの封土?」
「また、こんな話も聞きました」
「――〈此在の島々〉は避難施設みたいなモノ?」
「――ファウテの誘いをうけて〈此在の島々〉に救い出された者たちは?」
「――この宇宙の最期を乗りこえられる?」
「くわえて他に~」
「――〈此在の島々〉は、それぞれ異なる固有の時間を有する?」
「――〈此在の島〉ヴェステ・タウの形は、水滴型?」
「――さしわたし1万9700km?」
「――何十億年という歳月を経ていて?」
「――何十兆という住民が住んでいる?」
「……」
「入国審査にあたった存在〈入=青〉によれば~」
「――アトピック法廷とは~」
「――テズが〈法〉から派生させた、いわゆるひとつの公式なのです」
「――テズが宇宙における平衡感覚を保つための、いわば感覚器官なのです」
「テズの意向が~」
「アトピック法廷の活動に、どの程度まで影響するのかは~」
「知られていないとのこと」
「知られているのは~」
「――アトプ……アトピック法廷の裁判官は?」
「――アトピック中庭で選任される?」
「――アトピック中庭は可動式で?」
「――現在地は不明?」
「で」
「アトランは~」
「ジュリアン・ティフラーに~」
「――キミにはアトプの使者という名分がある」
「――アトピック中庭を探してほしい」
「もちろん」
「アトランとしても~」
「ルア・ヴィルタネンさん」
「フォーゲル・ツィールロス」
「両名を連れて~」
「――アトピック中庭を探してみたい」
「もくろむのです」
「――とはいえ、おおっぴらにはできないからな」
「――〈此在の島〉ヴェステ・タウの市長ファウテのゴンドを探すとしよう」
「――市長に、アトピック中庭の現在地を尋ねてみるのだ」
「という具合で」
「――5日ごとに、またココで落ち合おうっ」
「一同は、それぞれ出発」
「……」
「ちなみに」
「〈計量官〉と~」
「ファウテのタンは~」
「――渡し舟に残ります」

 〈此在の島〉ヴェステ・タウ――

「アトランは~」
「――ココが敵地だというのを、忘れるなっ」
「付帯脳から警告をうけて、肝に銘じる」
「……」
「一方」
「ジュリアン・ティフラーは~」
「――なんだか実家のような安心感だなぁ」
「〈此在の島〉ヴェステ・タウを抜けて旅をしながら~」
「さまざまな生命体と、知り合うのです」

 〈此在の島〉ヴェステ・タウ、ムナエル区――

「ジュリアン・ティフラーは~」
「この区の郵便局長と、知り合います」
「――この郵便局は、郵便を運ぶだけではない?」
「自分の生涯の何千という場面を見せられて~」
「――この郵便局から?」
「――過去の自分に、一通だけ電報を打てる?」
「面白そうですが~」
「アレコレ考えた上~」
「けっきょく、やめておくコトにしました」
「なお」
「郵便局長によれば~」
「――アトピック図書館に?」
「――アトピック中庭のこれまでの所在地の記録がある?」
「ジュリアン・ティフラーは~」
「行ってみるコトにしました」

 〈此在の島〉ヴェステ・タウ、〈千の炎の桶〉区――

「ジュリアン・ティフラーは~」
「アトピック図書館と一心同体の~」
「アトピック図書館の図書館長アーンフォルクトに、対面しました」
「図書館長は~」
「頭の中に、直接に知識を入れてくれます」
「――超知性体はどのように思考するか?」
「考えたコトもなかった事柄を、つぎつぎと流しこんで~」
「ジュリアン・ティフラーを、啓蒙したり」
「……」
「ところで」
「憶えて、いるでしょうか?」
「アトピック法廷は~」
「GAヨマード、すなわち、銀河系に~」
「裁判官2名を派遣していました」
「ひとりめは、裁判官マタン・アダル・ジャバリム」
「ふたりめは、裁判官クヴ」
「ところが」
「そのうち、裁判官クヴの方が~」
「ペリー・ローダンやアトランが~」
「――裁判官クヴの裁判官船《クヴァンク》を拿捕して~」
「――〈時の彼方の国〉に向かうのだっ」
「と敢行した作戦の中で、あえなく死亡」
「加えて」
「GAヨマードに予期せぬ異変」
「――2010万年前から?」
「――ティウフォル人が来た?」
「こうした状況下~」
「裁判官マタン・アダル・ジャバリムは~」
「ジュリアン・ティフラーに~」
「――使者として~」
「――〈時の彼方の国〉の意向を、確認してきてほしいのです」
「頼んだのでした」
「……」
「さて」
「こうした経緯で、当地を訪ねた~」
「ジュリアン・ティフラーは~」
「図書館長は~」
「尋ねてみます」
「――裁判官クヴの後任は、どうなるのだろうか?」
「尋ねてみながら~」
「ジュリアン・ティフラーは~」
「すでに、なんとなく回答がわかっていました」
「――もしかして?」
「――このジュリアン・ティフラーが?」
「――銀河系を所管するアトプのふたりめの候補?」

 一方――

「アトラン一行は~」
「――記憶商人組合に行ってみると良さそう?」
「毛皮生物ファロネイレーリック=略称ファロは~」
「一同を案内して~」
「女記憶商人エリアム・エルリさんのもとへ」
「……」
「エリアム・エルリさんは~」
「クモを思わせる姿」
「太った身体に、11本の脚」
「脚は、もと12本あったのを、1本なくしたように見えます」
「――極上の記憶を支払うなら~」
「――情報提供して、助けてあげましょう」
「加えて、ファロに手数料として平凡な記憶を支払えともいう」
「とはいえ」
「――アトピック中庭の現在地の情報提供は、さすがに無理っ」
「とのコトなので~」
「アトランは、当初のもくろみどおり~」
「――ならば~」
「――〈此在の島〉ヴェステ・タウの市長ファウテのゴンドはどこにいるか?」
「支払う記憶としては~」
「――超知性体〈それ〉を癒やすため、人工惑星ワンダラーにいた当時の~」
「――あの記憶なら、極上であろう」
「かくして」
「商談成立」
「……」
「ですが」
「じつは、この時~」
「アトランは、タカをくくっていたのです」
「――(付帯脳があるから、忘れないさ)」

 女記憶商人エリアム・エルリ――

「アトランから報酬の記憶を取り出す時~」
「エリアム・エルリさんは、知ったのです」
「――何……この凄いお宝の山っ」
「で」
「スパイケル」
「ヴァルクズ」
「悪名高い両名に、こっそり連絡をとりました」
「――凄い獲物を教えましょうか?」
「――そのかわり、奪った記憶の一部は、ワタシに回してほしいのっ」
「両名は、記憶私掠者」
「犠牲者の記憶全部をひったくって、死に至らしめるのだとか」

 数日後――

「アトランは~」
「――うぅっ」
「疲れが残った感じで、さわやかならぬ目覚め」
「しかも」
「超知性体〈それ〉を癒やすため、人工惑星ワンダラーにいた当時の~」
「あの記憶は~」
「――ごっそり消えている?」
「付帯脳も憶えていない」
「……」
「ともあれ」
「〈此在の島〉ヴェステ・タウの市長ファウテのゴンドの居場所は~」
「わかったのです」
「アトラン」
「ルア・ヴィルタネンさん」
「フォーゲル・ツィールロス」
「一同は~」
「昆虫みたいな旅行ガイドのラルホムが運転する、浮遊環に乗って~」
「カトイ区へと向かう」
「……」
「万能宇宙服の飛翔装置に~」
「細工がしてあるコトに~」
「一同は気づいていませんでした」

 カトイ区への途上――

「アトラン一行が休憩している隙を突いて~」
「スパイケル」
「ヴァルクズ」
「記憶私掠者2名は、襲いかかりました」
「……」
「両名は~」
「痩身のヒューマノイドで~」
「頭部にコミュニケーション環がある」
「この環の力で~」
「顔をさまざまに投影したり~」
「エネルギーを放射したり~」
「得意の武器は~」
「――ぴしっ」
「エネルギー鞭です」
「……」
「――!」
「アトランは~」
「ルア・ヴィルタネンさん」
「フォーゲル・ツィールロス」
「一同は、必死に防戦」
「が」
「百戦錬磨のアトランは、ともかくとして~」
「若者2名は、無事で済まない」
「記憶私掠者2名は~」
「負傷した、フォーゲル・ツィールロスと~」
「意識をなくした、ルア・ヴィルタネンさんを~」
「誘拐して、姿をくらませました」
「……」
「アトランは~」
「旅行ガイドのラルホムが運転する浮遊環に乗って~」
「女記憶商人エリアム・エルリさんのもとへ」
「――急いでもどって~」
「――ふたりが誘拐された先の情報を、買うのだ」

 セントラルステーション――

「ジュリアン・ティフラーは~」
「――このジュリアン・ティフラーが?」
「――銀河系を所管するアトプのふたりめの候補?」
「渡し舟に引き返して~」
「ファウトのタンに、相談してみたり」
「――コレがオレの天命なのかな?」
「タンは~」
「宇宙の秘密をいくらか語り~」
「最初の超知性体の歴史をいくらか語り~」
「――ワタシがアダルの家でアナタをアトプに養成しましょう」
「――ぜひ、ご決断をっ」
「ちなみに」
「タンの思うトコロでは~」
「ジュリアン・ティフラーには~」
「もうすぐ細胞活性装置は要らなくなる、とのこと」
「……」
「憶えて、いるでしょうか?」
「ジュリアン・ティフラーは~」
「かつて~」
「〈時穂〉を貫く〈百万年トンネル〉を歩き通して~」
「ヒトが変わったようになりました」
「そして、もはや~」
「そのヒトと同じヒトでもなくなろうとしていました」
「それでも、なお~」
「ジュリアン・ティフラーは~」
「テラナーと自分の切っても切れない縁、みたいなモノを感じていました」
「――オレは、助けたいのだ」
「――アトピック法廷とティウフォル人に虐げられる~」
「――銀河系の諸種族をっ」
「かくして」
「ジュリアン・ティフラーは~」
「――よかろうっ」
「――裁判官に、オレはなるっ」
「決断したのでした」
「……」
「ところで」
「ファウトのタンには~」
「ジュリアン・ティフラーに語っていない秘密があります」
「じつは」
「アトピック法廷は~」
「ジュリアン・ティフラーそのヒトがいるからこそ~」
「GAヨマード、すなわち、銀河系に来たのです」
「じつは」
「アトプの裁判官マタン・アダル・ジャバリムは~」
「ジュリアン・ティフラーと、故郷星系が同じなのです」
「もしかしたら~」
「故郷恒星の中に置かれた、6次元的な封印は~」
「マタン・アダル・ジャバリムがアトプの裁判官になったコトと~」
「ジュリアン・ティフラーがアトプの裁判官になることに~」
「何かかかわるのかもしれません」
「で」
「ファウトのタンは~」
「思うのです」
「――恒星の封印は、いつか解かれるかも」
「――だからこそ~」
「――それが置かれたその場所は、産みの苦しみに見舞われたのかも」

 以下次号――

□ Perry Rhodan-Arkon
[ http://perry-rhodan.net/arkon.html ]

6 . Dennis Mathiak & Marc A. Herren / Unternehmen Archetz / アルヘツ作戦
7 . Björn Berenz / Welt der Mediker / 医師たちの惑星
8 . Michael Marcus Thurner / Die Stunde des Smilers / スマイラーの時間
9 . Kai Hirdt / Flotte der Verräter / 裏切り者の艦隊

以下、未詳

 1月22日開始の、小ヘフト・シリーズ。隔週刊。全12冊。
 草案は Marc A. Herren。

□ Perry Rhodan-Arkon 6話「アルヘツ作戦」
[ http://www.perry-rhodan.net/band-6-unternehmen-archetz.html ]

 (承前)

 新銀河暦1402年6月、銀河系――

「憶えて、いるでしょうか?」
「アルコン人のごく一部の選ばれた者だけが~」
「高度な教育と訓練を経て~」
「難しい試験をクリアして~」
「資格を得て、付帯脳の活性化〈アルク=スミア〉をうけます」
「こうしたエリートたちが~」
「アルコン人の社会で要職を占めるのです」
「さて」
「この6月1日――」
「球状星団M13すなわちアルコン名〈タントゥル=ロク〉のご近所から~」
「――かっ」
「ハイパー・インパルス〈アルカイック・インパルス〉が出ました」
「このインパルスが~」
「アルコン人の付帯脳に影響して~」
「付帯脳に支配されたアルコン人たちが~」
「奇行に走るようになったのです」
「で」
「ボスティク家のガウマロール」
「すなわち~」
「アルコン帝国皇帝ボスティク1世も、例外ではないのでした」

 6月12日、球状星団M13――

「USO司令官モンキーの委託をうけて~」
「アルコン帝国皇帝ボスティク1世の奇行を調査する~」
「ロナルド・テケナーは~」
「星系アルコン第7惑星ティノーンに潜入して~」
「今般の事件の関係者が、今般の事件のコトを~」
「――〈アルク=スミア〉運動?」
「とか呼ぶコトをつかんで、惑星ティノーンを脱出」
「……」
「――さて、次はどうしたものか」
「USOのネットワークを通じて情報収集」
「――皇帝ボスティク1世が?」
「――御座艦隊アルク・インペリオンで?」
「――星系ルスマにあらわれた?」

 銀河商人スプリンガーの星系ルスマ――

「皇帝ボスティク1世の御座艦隊アルク・インペリオンは~」
「無警告で、スプリンガーの宇宙要塞群を破壊」
「――ばーん」
「……」
「星系ルスマの惑星アルヘツは~」
「銀河商人スプリンガーの中枢拠点です」
「3000年前のドルーフによる爆撃で~」
「地表の95%が、放射能を帯びた瓦礫の荒野と化して~」
「スプリンガーたちは~」
「地底の居住区に住むようになりました」
「……」
「アルコン兵士たちは~」
「地底にある首都ティトンを制圧」
「銀河商人の銀行を抑えにかかる」

 ロナルド・テケナー――

「情報収集した、ロナルド・テケナーは~」
「――皇帝ボスティク1世は、いったい何がしたいのか?」
「いぶかしみます」
「で」
「現地で確かめるコトにしました」
「――それに~」
「――ボスティク1世の身柄をおさえる好機かもしれない」
「早速、惑星アルヘツへ」

 惑星アルヘツ――

「ロナルド・テケナーは~」
「現地のUSO工作員コルト・モーディと合流」
「――ボスティク1世の本当の目的?」
「どうやら、目的は銀河商人の銀行ではないようです」

 惑星アルヘツ――

「ボスティク1世は~」
「みずから極秘部隊を指揮」
「地表の瓦礫の荒野へ向かう」
「――惑星アルヘツの最初期の入植者の遺物を捜索するのだ」
「……」
「過去、アルカイック時代の終わりに~」
「星系アルコンの第6惑星イプラサに発する、宇宙遊牧民の一団が~」
「星系ルスマの惑星アルヘツに、入植」
「この当時――」
「入植者たちは~」
「晶洞石、すなわち、赤く燃える中空の水晶をひとつ~」
「持ちこんで、大事に隠したのだとか」
「以後の数千年で――」
「宇宙遊牧民は、銀河商人スプリンガーになりました」
「が」
「晶洞石は、惑星アルヘツの地表に隠されたまま」
「3000年前のドルーフによる爆撃にも耐えて~」
「今も惑星の95%を覆う瓦礫の荒野の、どこかにあるという」

 惑星アルヘツ、瓦礫の荒野――

「スプリンガーは~」
「おおむね地底の居住区に住んでいますが~」
「じつは」
「瓦礫商人という氏族が、地表に隠れ暮らしています」
「……」
「ボスティク1世は~」
「首都ティトンに住むスプリンガー賎民スヴェルロンを介して~」
「瓦礫商人と渡りをつけて~」
「晶洞石の隠し場所まで案内させる」
「で」
「一同は~」
「一連の罠をくぐりぬけて~」
「太古の宇宙遊牧民の洞窟の、晶洞石の隠し場所に至る」

 瓦礫の荒野――

「一方」
「USO工作員コルト・モーディも~」
「瓦礫商人と渡りをつけて~」
「ロナルド・テケナーと~」
「コルト・モーディは~」
「情報を入手」
「――ボスティク1世の跡を追うのだっ」
「で」
「両名は~」
「ボスティク1世一行と、同時に~」
「太古の宇宙遊牧民の洞窟の、晶洞石の隠し場所に至る」
「と、そこで~」
「――うっ」
「ロナルド・テケナーと~」
「コルト・モーディは~」
「晶洞石に近づきすぎて~」
「――うわあああっ」
「まるで本物みたいな幻覚を、見ることになったのでした」

 つかのまの幻覚の中――

「――ここは?」
「――別の惑星?」
「――遊牧民と象みたいな家畜の群れがいる?」
「寒冷な惑星のようです」
「――ここは?」
「――惑星イプラサ?」
「――それも、遠い過去のイプラサ?」
「――アルカイック時代のイプラサ?」

 現実:太古の洞窟――

「ロナルド・テケナーと~」
「コルト・モーディは~」
「――はっ」
「幻覚から戻ってきました」
「さて」
「ここであらためて~」
「――ずぎゅーん」
「ボスティク1世一行」
「ロナルド・テケナー一行」
「全員が入り乱れての戦闘勃発」
「――ずぎゅーん」
「スプリンガー賎民スヴェルロンは~」
「――うっ」
「負傷して晶洞石に倒れこんで~」
「――ふっ」
「消えてしまったり」
「晶洞石は、どうやら転送機の入口であるらしい」
「が」
「この直後――」
「瓦礫商人がレカ型円盤艇で戦闘に介入」
「――どどーん」
「晶洞石は~」
「――!」
「何やら精神インパルスを発して~」
「――ばーん」
「破壊されてしまいました」
「……」
「思うに、どうやら~」
「晶洞石というのは、ただの水晶ではないようです」
「何やら生きている気配がします」
「……」
「この戦闘で~」
「瓦礫商人たちは~」
「ボスティク1世を、拘束しました」
「が」
「ロナルド・テケナーは~」
「逃げのびました」

 ロナルド・テケナー――

「推測するに~」
「――晶洞石は~」
「――〈アルク=スミア〉運動にとって成功の鍵なのだ」
「――あるいは、ワレワレにとっては~」
「――〈アルク=スミア〉運動を抑止する鍵かも?」
「――〈アルク=スミア〉運動を阻止する鍵かも?」
「いずれにせよ~」
「さきほど見た幻覚のおかげで~」
「次の手掛かりは、明白です」
「――行くぞ、惑星イプラサへっ」
「……」
「星系アルコンの第6惑星イプラサは~」
「〈アルク=スミア〉、すなわち、付帯脳活性化の~」
「発祥の地にして~」
「活性化をうけたい者たちを選抜する、試験惑星です」

 次回は2週間後――

【関連サイト】
・出版社が運営するドイツ公式サイト
[ http://www.perry-rhodan.net/ ]


◆今回のひとこと

 die Insel der Hiesigkeit……。
 以前〈ここにある島〉としていましたが……。
 今回〈此在の島〉と格好をつけてみました。


d-information ◆ 923 [不定期刊] 2016/04/11
発行:y.wakabayashi /rlmdi [ yw@rlmdi.org ]
バックナンバー、登録/解除はこちら [ http://www.rlmdi.org/rlmdi/di/ ]

 このメールマガジンは Perry Rhodan を中心とするドイツSFと周辺エンターテイメントの断片的情報を、私的興味の範囲でお送りしています。

【ご注意】記事の性格上、伝聞・広告・ひろい読みにもとづく不確かな情報が多くふくまれます。より正確な情報を望まれる方は、紹介する関連サイトなどをかならずご自身でご確認ください。


このメールマガジンは、インターネットの本屋さん『まぐまぐ』を利用して発行しています。[http://www.mag2.com/ ]