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| d-information | シリーズ/作家 | ペリー・ローダン |

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873 [2015/04/27]


Perry Rhodan を中心とするドイツSFと周辺エンターテイメントの断片的情報を、私的興味の範囲でお送りします。

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◆目次
◇ペリー・ローダン近況
◇ペリー・ローダン1980


◆ペリー・ローダン近況

□ Perry Rhodan-Heft

2800 . Michelle Stern / Zeitriss / 〈時割れ〉
2801 . Uwe Anton / Der Kodex / 法典
2802 . Hubert Haensel / Bastionen der Sternenmark / 星髄の稜堡
2803 . Marc A. Herren / Unter dem Sextadim-Banner / 6次元〈呪旗〉のもとで
2804 . Michael Marcus Thurner / Hüter der Zeiten / 時代の守護者
2805 . Michael Marcus Thurner / Para-Patrouille / パラ・パトロール
2806 . Christian Montillon / Aus dem Zeitriss / 〈時割れ〉より来たる
2807 . Leo Lukas / Sternspringer über Swoofon / スヴォーフォン上空の〈星駒〉

「2800話の表紙は、2種類あるそうで」
「一方は、ペリー・ローダン+シク・ドルクスタイゲルさん」
「一方は、ペリー・ローダン+ティウフォル人」
「らしい」

□ Perry Rhodan-Heft 2800話「〈時割れ〉」
[ http://www.perry-rhodan.net/band-2800-zeitriss.html ]

 新銀河暦1517年――

「アトピック法廷の銀河系実効支配を覆し~」
「もとから、すっぱり断つために~」
「その本拠〈時の彼方の国〉に到ろうという~」
「〈ウルティマ・マルゴ〉作戦」
「――アトプの裁判官クヴを、〈光遺伝子作用体〉で光制御したぞ」
「――裁判官船《クヴァンク》を、制圧したぞ」
「――アトプの裁判官クヴは、残念なコトになったけれども~」
「――裁判官船を制御する正体不明の〈アンク〉は~」
「――ペリー・ローダンを、司令官と認めて~」
「――アトランを、操縦士と認めて~」
「――裁判官船は《アトランク》ってコトになったから、問題ないぞ」
「かくして」
「裁判官船《アトランク》は~」
「――〈導体〉=もと惑星アルコンIIIに、突入したぞ」
「――このまま、〈共時性の通路〉を抜けて~」
「――〈時の彼方の国〉に行くのだっ」

 裁判官船《アトランク》――

「本体は卵型で~」
「長い方の差し渡しが4500m、短い方が1500m」
「着脱自在の可動砲台的なモノが、周囲をぐるりと取り巻いて~」
「さしわたしは、長い方が8500m、短い方が3150m」
「船体は青色をしています」
「……」
「司令室では~」
「まず」
「特別に訓練を積んだ、エモシオ航法士である~」
「ハルト人、アヴァン・タクロル」
「ペリー・ローダンの孫娘ファリエ・セフェロアさん」
「テラニア・アカデミーのノスモ人サム・バッタシェー」
「《ラス・ツバイ》の第一航法士タウロ・ラコバシ」
「以上4名が~」
「ゲニフェル――オンリョン人の計算脳技術者――の代わりに席に着き~」
「副操縦士的な役を、務めます」
「で」
「アルコン人アトランが~」
「主操縦士を、務めます」
「――〈時間転移ドライバー〉を操って~」
「――〈共時性の通路〉=時間的広がりを貫く人工空間を、航行するには~」
「――〈物質の泉〉の彼岸に渡ったキャリアが、モノを言うのだ」
「で」
「ペリー・ローダンは~」
「司令室中央に浮かぶ、指令球に入って~」
「――全体の指揮を、とるのだ」
「……」
「ちなみに」
「裁判官船《アトランク》は~」
「非物質の糸状の何かが、船内に蜘蛛の巣みたいに張ってあります」
「――1本1本の糸は、じつは内部に〈同期洞〉を宿しているのです」
「――1個1個の〈同期洞〉は、いうなれば0マイナス1次元の異宇宙です」
「――〈時間転移ドライバー〉も、〈同期洞〉群に据えてあるのです」
「とかいう」
「で」
「ペリー・ローダンの発案により~」
「スーパーノヴァ級の万能空母《ラス・ツバイ》……」
「球殻の直径が3000m、赤道環の直径が3472mという巨艦が~」
「じつは、丸ごと~」
「裁判官船《アトランク》に、格納してあるのでした」
「さて」
「こうして~」
「裁判官船《アトランク》――と《ラス・ツバイ》――は~」
「銀河系の諸種族――主にはテラナー――と~」
「ラルハトーン銀河で抵抗運動してきた、ラール人の荒くれと~」
「ラルハトーン銀河から同行してきたケロスカー、ゴルドロディンを乗せて~」
「〈共時性の通路〉を、進みます」
「……」
「ちなみに」
「そうした乗員のひとり~」
「超能力を有するネズミビーバー、グッキーは~」
「5年前=新銀河暦1512年――」
「衛星ルナを封鎖した高次バリア=リパルサー・ウォールを~」
「突破しようとして~」
「――テレポートっ」
「――うぎゃあああっ」
「長く昏睡状態に」
「で」
「新銀河暦1514年――」
「昏睡から目覚めると~」
「テレパシー」
「テレキネシス」
「テレポート」
「かつて使えていた3つの能力を、失っていました」
「でも」
「不幸中の幸い、というのは、あるモノで~」
「新能力〈パラ泥棒〉が、目覚めていたのです」
「その後――」
「グッキーは~」
「テレパシー的能力を〈パラ泥棒〉して~」
「テレキネシス能力を〈パラ泥棒〉して~」
「変わり種のテレポート能力を2つ〈パラ泥棒〉して~」
「違和感は、半端ないですが~」
「なんとなく、もとのグッキーに近づきました」
「が」
「今回――」
「作戦〈ウルティマ・マルゴ〉の最終局面で~」
「法務官ユーニュス・フェルンと、対決するにあたり~」
「力いっぱい、体当たりして~」
「――灰みたいに、燃えつきた気分」
「――くたっ」
「超能力は、どれもナリを潜めてしまいました」
「――絶不調だよー」

 11月17日、裁判官船《アトランク》――

「司令室で、異常発生」
「――チカチカチカー」
「照明が、明滅したりして」
「司令官ペリー・ローダンは~」
「主操縦士アトランに、声をかけました」
「――アトラン?」
「――《ラス・ツバイ》に連絡したいのだが」
「ところが」
「主操縦士アトランは~」
「――ううっ」
「どうやら、うまくいっていない気配」
「ペリー・ローダンは~」
「ファリエ・セフェロアさんのヘルメットを、拝借すると~」
「――おーい」
「〈アンク〉に呼びかける……つもりでした」
「でも」
「〈アンク〉は~」
「あいかわらず得体が知れなくて~」
「協力的とはいえません」
「加えて、今――」
「裁判官船《アトランク》船内には~」
「〈共時性の通路〉の副次効果が、拡大していました」
「一事が万事~」
「多かれ少なかれ~」
「いろいろと幻想的なコトに、なりはじめ~」
「特に、司令室の操縦士たちは、効果をモロにうけていたのです」
「……」
「ペリー・ローダンは~」
「幻覚の中で~」
「自分が誰かも、わからなくなって~」
「――水は濡れているー♪」
「赤い砂漠を、さまよったりして~」
「――オレの話を、聞けーっ」
「――ココはワタシの国です。何をお望みで?」
「――オレを、助けるのだっ」
「――ナニユエですか? アナタは名前もワカラナイのに」
「――命令だっ。聞くのだっ。オレは……司令官ペリー・ローダンだっ」
「こうしたやりとりを重ねて~」
「ペリー・ローダンは、ようやくワレを取り戻しました」
「――《ラス・ツバイ》と、連絡をつないでほしい」
「――あと、もう少し……操縦士に手を貸してやってはくれまいか?」
「で」
「〈アンク〉の協力により~」
「アトランは~」
「どうやら、調子を取り戻し~」
「ペリー・ローダンは~」
「〈同期洞〉にいる《ラス・ツバイ》司令官ジャウナ・トゴヤさんと~」
「どうにか、話ができました」
「――《ラス・ツバイ》の方は、大丈夫です」
「ともあれ」
「ケロスカー、ゴルドロディンのフィクティヴ転送機クレーンを使って~」
「《アトランク》本体と、《ラス・ツバイ》の間に~」
「連絡路を設定するコトにしました」

 裁判官船《アトランク》――

「〈共時性の通路〉の副次効果は、悪化の一途」
「幻覚を見る者、続出」
「――もにょもにょ」
「声を、聞いては~」
「――もにょもにょ」
「独り言を、発したり」
「……」
「司令室では~」
「――チカチカチカー」
「照明が、明滅」
「ここでも~」
「幻覚を見る者、続出」
「――オ、オレがいるっ」
「自分がふたりいる、と思いこんだり」
「あるいは~」
「周囲からは見えているのに、本人は~」
「――みんな……ドコに消えたんだ?」
「みたいなコトが、頻発」
「……」
「そうこうするうちに~」
「副操縦士を務めるハルト人アヴァン・タクロルが~」
「――きーっ」
「頭に血がのぼって、暴れだしました」
「取り押さえようとしたロボットを何体も、ちぎっては投げ~」
「――ガッシャンっ」
「と」
「突然~」
「――ふわん」
「ハルト人アヴァン・タクロルの巨体が~」
「司令室の真ん中に、浮き上がりました」
「ネズミビーバー、グッキーは~」
「――ひゃっはー」
「――テレキネシスが、回復したよっ」
「……」
「主任医師メト・トヴェノは~」
「グッキーを診察して、曰く」
「――うかれすぎないでくださいね」
「――まだ、プシ価が揺らいでますからね」
「――はたして落ち着くのか~」
「――どのへんで落ち着くのか~」
「――まだまだ、安心はできません」

 裁判官船《アトランク》司令室――

「混迷の度合いは、なお深まります」
「そこで」
「ペリー・ローダンは~」
「――全員、《ラス・ツバイ》に戻るのだっ」
「――サスペンド・アルコーヴで非物質化して、やりすごすぞっ」
「……」
「憶えて、いるでしょうか?」
「《ラス・ツバイ》には~」
「超空間プログレス駆動の副次効果を防ぐため~」
「生身の乗員を一時的に非物質化して、やりすごす~」
「そうした施設があります」
「……」
「そうした中で~」
「シク・ドルクスタイゲルさんは~」
「どうやら、ひとりだけ、幻覚を見ないらしい」
「裁判官船《アトランク》の司令室で、待機するコトに」

 数時間後――

「《ラス・ツバイ》艦内で警報発令」
「全員が、サスペンド・アルコーヴで物質化させられました」
「――!」
「なみいる猛者たちの中でも~」
「ペリー・ローダンは、瞬間切替スイッチ付き」
「《ラス・ツバイ》司令室に、一番乗りして~」
「《アトランク》のシク・ドルクスタイゲルさんに、状況を確認」
「――事故発生?」
「――今がいつだか、ココがどこだか、わからない?」
「――アトランは……トランス状態?」

 探知と分析の結果――

「――《アトランク》がいるのは~」
「――銀河系の主平面の下方15万光年?」
「――〈共時性の通路〉が外に膨れた、その内側?」
「――ここから〈導体〉まで~」
「――〈共時性の通路〉を、突っ切って~」
「――いわゆるひとつの〈時割れ〉が、走っていて?」
「――過去と未来の量子が、〈時割れ〉から漏れ出している?」
「――《アトランク》がいるのは~」
「――西暦紀元前2010万3191年?」
「……」
「2010万年前――」
「それは、未知の時代」
「かねてより知られた~」
「超知性体アルケティムが~」
「ファリスケ=エリゴン銀河――現在の銀河系――に、平和をもたらすのが~」
「西暦紀元前2006万4820年のコト」
「それより以前の銀河系については~」
「まったくといって良いほど、知られていません」

 原因を考察した結果――

「――たしかなのは~」
「――主操縦士であるアトランがやった」
「――自分で意識してやった、というコトだ」
「――でも、こんな事故をワザと起こすとも思えないし……」

 その時、《ラス・ツバイ》で爆発――

「――ばーん」
「またしても、警報発令」
「《アトランク》を制御する〈アンク〉によれば~」
「――船1隻が〈同期洞〉から飛び出していきました」
「ペリー・ローダンは~」
「ひらめきました」
「――そうか!」
「――犯人は、ラール人たちだっ」
「――連中が、アトランを光制御したのだっ」
「……」
「先般――」
「ペリー・ローダンは~」
「銀河医師族アラスの大長老ゼオビトに~」
「正確には、そのクローン〈息子〉のザルダングに~」
「〈光遺伝子作用体〉の開発を依頼」
「そうして」
「〈光遺伝子作用体〉を、裁判官クヴの体内に送りこみ~」
「〈光遺伝子作用体〉を、光信号で操縦して~」
「〈光遺伝子作用体〉を介して、裁判官クヴを操作したのでした」
「……」
「ひらめいてしまえば、あとは単純な推理です」
「――銀河医師族アラスのゼオビト=ザルダングは~」
「――ラール人相手にも、一儲けしたのだっ」
「思い返してみれば~」
「作戦の直前~」
「アトランは、ラール人女性のマッサージを受けていました」
「――あの晩、〈光遺伝子作用体〉を仕込まれたのだっ」
「――先刻の《アトランク》司令室のチカチカは、光制御信号だったのだっ」
「……」
「憶えて、いるでしょうか?」
「ラール人の故郷銀河ラルハトーンは~」
「いくらか前から、アトピック法廷に牛耳られています」
「今回、同行してきた~」
「ラール人アヴェストリ=パシクは~」
「抵抗運動組織プロト=ヘトストの指導者です」
「――アトプの支配を、覆し~」
「――強い〈ヘトス〉を取り戻すのだっ」
「というのが、宿願です」
「……」
「そして」
「もうひとつ~」
「憶えて、いるでしょうか?」
「ラール人は~」
「いくらか前まで、誇り高い〈七種族のヘトス〉の一員でした」
「〈七種族のヘトス〉が、滅びなければ~」
「ラール人の没落は、なかったわけで~」
「アトピック法廷に牛耳られるコトも、なかったわけです」
「ラール人アヴェストリ=パシクの中では~」
「――〈七種族のヘトス〉を滅ぼしたヤツが、憎いっ」
「――ヘトルク・テッサー=〈すべてを破壊した男〉ペリー・ローダンが憎い」
「恨む気持ちが、根深かったりする」
「……」
「さて」
「今回――」
「ペリー・ローダンは~」
「裁判官船《アトランク》で~」
「〈時の彼方の国〉に行って~」
「現在、銀河系を脅かし~」
「いくらか前から、ラルハトーン銀河を脅かしている~」
「アトピック法廷という問題を~」
「もとから、すっぱり断つつもり」
「ということで」
「アヴェストリ=パシクと、同志ラール人の一同も~」
「宿敵ペリー・ローダンの計画に~」
「全面協力する格好で、ここまで来ました」
「が」
「……」
「そうなのです」
「憶えて、いるでしょうか?」
「現在のラルハトーン銀河のラール人も~」
「〈七種族のヘトス〉時代のラール人も~」
「こうした伝承を、語り継いでいました」
「――遙かな昔~」
「――第一次文明時代のラール人は~」
「――ある遠い銀河で~」
「――あらゆる生命体の敵=強大な敵と戦い、勝利したのだ」
「加えて」
「憶えて、いるでしょうか?」
「――惑星テラの~」
「――古代ローマのアルヴァル兄弟団の神への賛歌には~」
「――ラールという神が、登場するのだ」
「さらに」
「憶えて、いるでしょうか?」
「――惑星オリンプには~」
「――当時のラール人が残した、遺跡があるのだ」
「というコトは~」
「――第一次文明時代のラール人が~」
「――戦った銀河とは~」
「――ヘトルク・テッサーの故郷銀河なのだ」
「……」
「おそらく、こうした思索を重ねて~」
「ラール人アヴェストリ=パシクは~」
「思いついて、しまったのです」
「――過去を変えた方が、良いんじゃね?」
「すなわち」
「――アトピック法廷の侵攻を阻止すれば、良いんじゃね?」
「てゆーか」
「――〈七種族のヘトス〉が滅びなければ、良いんじゃね?」
「てゆーか」
「――第一次文明時代のラール人に警告すれば、良いんじゃね?」
「――人類の誕生を阻止しちまえば、良いんじゃね?」
「――ヘトルク・テッサーも何も生まれないから、良いんじゃね?」
「もとから、すっぱり断つつもり」

 〈共時性の通路〉が外に膨れた、その内側――

「そうこうするうちに~」
「主操縦士アトランが、光制御信号の影響を脱し~」
「――はっ」
「意識を、取り戻しました」
「――よし、これで《ラス・ツバイ》を、外に出せるぞっ」
「……」
「ペリー・ローダンとしては~」
「――アヴェストリ=パシクと、同志ラール人の一同を、追跡して~」
「――時間パラドクスを、防ぐのだっ」
「とはいえ」
「〈共時性の通路〉を、出てしまったら~」
「ふたたび内側に戻れる保証は、ありません」
「――それでも、行かねばっ」
「――発進っ」
「――ごごごっ」
「……」
「裁判官船《アトランク》では~」
「主操縦士アトラン」
「および、副操縦士的な役を務める~」
「アヴァン・タクロル」
「サム・バッタシェー」
「タウロ・ラコバシ」
「以上の面々が、《ラス・ツバイ》を見送ります」

 西暦紀元前2010万3191年の銀河系――

「不幸中の幸い、というのはあるモノで~」
「ここは、ハイパー物理学的抵抗が増大していない時代の銀河系です」
「抵抗が減った分、巨艦《ラス・ツバイ》のハイテクは、おおむね性能向上」
「もちろん、機械は~」
「出力が上がれば良い、というモノばかりではありません」
「シク・ドルクスタイゲルさんは、知恵を絞って~」
「施設を改修、機器を調整」
「――ごごごっ」

 《ラス・ツバイ》、航行中――

「――アヴェストリ=パシクが乗る《ラルハトーン》の~」
「――痕跡を、探すのだっ」
「と」
「――!」
「――なにやら、戦闘している?」
「探知しました」
「で」
「ペリー・ローダン」
「グッキー」
「シク・ドルクスタイゲルさん」
「以上の面々は~」
「《ラス・ツバイ》の搭載艦である~」
「ミネルヴァ級巡洋艦《イシ・マツ》――直径200m――に~」
「乗りこんで~」
「――偵察だっ」
「――発進っ」

 偵察先の星系――

「――何かの艦隊が?」
「――自分より弱い種族を襲って?」
「――相手の故郷惑星を、組織的に破壊している?」
「襲撃者は、仮借なく緻密に進撃」
「――ワン、ツー、スリー」
「戦闘を芸術に昇華する、かのように~」
「――ワン、ツー、スリー」
「情熱をぶつける、かのように~」
「――ワン、ツー、スリー」
「……」
「無線を傍受し、解析して~」
「わかってきました」
「――襲撃したのは……〈謀叛人の帝国〉?」
「――ティウフォル人?」
「――襲撃されたのは?」
「――ジョッパキオ種族?」
「――〈法典〉に救援要請したけれども……断られた?」
「ティウフォル人は~」
「背の高い、痩身のヒューマノイド」
「物腰は、ダンサーのよう」
「ほのかに光る青黒い戦闘鎧を、身に帯びて~」
「ブーメラン型の小型戦闘艦〈星駒〉を、操ります」
「母艦〈星塁〉は~」
「全長5kmの転子状の本体の~」
「前方3分の1のトコロに、スポーク4本の円環がついた形」
「グッキーが~」
「テレパシーを、試してみると~」
「――〈星塁〉には、それぞれ〈呪旗〉がある?」
「――〈呪旗〉は、未知のハイパー水晶で、できている?」
「さらに、探ってみると~」
「――〈呪旗〉には?」
「――U"BSEF定数が、たくさん詰まっている?」
「――なんだか、とっても苦しんでるみたいな?」
「どうやら」
「ティウフォル人は~」
「襲った惑星の住民を、皆殺しにして~」
「U”BSEF定数を〈呪旗〉に収集しているようです」

 ティウフォル人は、巡洋艦《イシ・マツ》を襲撃――

「巡洋艦《イシ・マツ》は~」
「もちろん、パロス影バリアを展開していました」
「でも」
「ハイパー物理学的抵抗の変化に合わせた調整が~」
「どうやら、ちょいと甘かったらしい」
「……」
「ティウフォル人たちの~」
「〈質量エネルギー繊維〉は、防御バリアを食い破り~」
「マルウェアは、制御系を麻痺させて~」
「戦闘ロボットが、《イシ・マツ》に突入」
「組織的に、仮借なく、緻密に~」
「――ワン、ツー、スリー」
「ティウフォル人は~」
「――ワン、ツー、スリー」
「乗員を、何名か殺害し~」
「残りを、捕虜にして~」
「《イシ・マツ》ともども、〈星塁〉《ヨッンティック》に収容」
「……」
「とは、いうものの~」
「《イシ・マツ》の乗員一同は~」
「けっこう激しく、応戦したので~」
「どうやら、ティウフォル人の尊敬を勝ち得た模様」

 〈星塁〉《ヨッンティック》――

「艦内は、左右対称でなく~」
「一部は、有機体みたいです」
「――直角な曲がり角が、ない?」
「――というか、とっても寒いっ」
「捕虜たちは、小分けて収容所へ」
「が」
「――キサマと〈小姓〉の両名は、こちらだ」
「ペリー・ローダンと~」
「〈小姓〉と見做されたシク・ドルクスタイゲルさんは~」
「ジヌロ=客員軍人として遇され~」
「カラドック=司令官のもとへ」

 〈星塁〉《ヨッンティック》――

「カラドック=司令官オークソン・ビスックは~」
「――試練を、与えようっ」
「ペリー・ローダンと~」
「シク・ドルクスタイゲルさんは~」
「ティウフォル人と、対戦」
「――!」
「勝利すると~」
「――〈呪旗覇軍〉の見学を許すっ」
「両名は~」
「ジョッパキオ種族を皆殺しにする光景を~」
「ひたすら眺めるコトに、なったのでした」

 ジョッパキオ種族の惑星――

「完璧で組織的な、惑星破壊は~」
「ティウフォル人にとって、一種の美学」
「――ワン、ツー、スリー」
「競って住民を殺しては~」
「U”BSEF定数を収獲します」
「――科学者だっ」
「――芸術家だっ」
「――強い個性ほど、すばらしいっ」
「惑星1個の資源全部を、収奪すると~」
「――ばーん」
「惑星を破壊」
「……」
「ペリー・ローダンと~」
「シク・ドルクスタイゲルさんは~」
「ティウフォル人のコトを聞きます」
「――もう何年も、このやりかたで戦争してきた?」
「――ティウフォル人は、星のはざまで生きる種族?」
「――惑星には、基地を築かない?」
「――艦を故郷として、生きる?」
「〈艦賢者〉ゲッンロクは~」
「両名に、教えて曰く」
「――ティウフォル人は~」
「――〈カティウファト〉が実在する、と信じているのだ」
「〈カティウファト〉とは~」
「いわゆるひとつのヴァルハラらしい」

 超能力を取り戻したネズミビーバー、グッキー――

「同じ頃~」
「グッキーも~」
「ティウフォル人の所業を知りました」
「いろいろ仰天」
「でも」
「じつは、嬉しい気持ちが勝っています」
「――いろいろ、試してみたけれど~」
「――テレキネシスも~」
「――テレパシーも~」
「――テレポーテーションも~」
「――完全復活っ」
「――昏睡前と、遜色なしだよー」
「その上」
「――目覚めてから得た能力も、まだ使えるみたいだ」
「……」
「グッキーは~」
「ペリー・ローダン」
「シク・ドルクスタイゲルさん」
「両名が、収容施設に戻ったところで~」
「――テレポートっ」
「救出して、巡洋艦《イシ・マツ》へ」
「加えて」
「――テレポートっ」
「――テレポートっ」
「――テレポートっっ」
「捕虜たちを、次々に救出」
「でも」
「途中で~」
「ティウフォル人に、気づかれました」
「――収容所にまだいる捕虜は、全員射殺だっ」
「――ずぎゅーん」
「なので」
「全員は、助かりませんでした」
「……」
「それでも」
「残る一同は~」
「――《イシ・マツ》を爆破だっ」
「――ばーん」
「〈星塁〉《ヨッンティック》の脇腹に、大穴を開けて~」
「スペースジェット1隻で、脱出」
「――ぎゅーん」
「《ラス・ツバイ》へと、帰到したのでした」

 少し前、ビテッニ種族の宇宙船《キッテネク》――

「マエックと、ペッニヴァレは~」
「昆虫種族ビテッニの斥候」
「ここしばらく~」
「ティウフォル人の様子を、探っていました」
「……」
「ビテッニ種族の惑星ビトガードは~」
「ここから、37光年しか離れていません」
「――ここを滅ぼした、ティウフォル人は~」
「――次は、惑星ビトガードに来るかも?」

 同じ頃、星系イテッミの惑星ビトガード――

「ビテッニ種族の政府は~」
「目下、2派に割れていました」
「一方は~」
「――ワレワレは、ティウフォル人と折衝すべきだっ」
「もちろん、無謀な策です」
「一方は~」
「――〈法典〉に〈紫深〉の投入を頼むのだっ」
「でも、断られました」
「〈法典〉の諸種族は、いろいろ手一杯」
「星系イテッミを助ける余裕はない、とかいう」

 ビテッニ種族の宇宙船《キッテネク》――

「ペッニヴァレは~」
「3つ目の案を、思いつきます」
「惑星ビトガードに、無線をつないで~」
「高位ティッラメレに、進言」
「――何年か前~」
「――この銀河に、見慣れない種族が来たのです」
「――強力な宇宙船団を操って~」
「――〈法典〉にも、賛同しています」
「――まだ戦闘に出たコトは、ありませんが~」
「――もしかして、この新参の種族なら~」
「――今すぐに、手を貸してくれるかもです」
「とはいえ」
「ティウフォル人の艦隊は~」
「すでに、星系イテッミに進路を向けています」
「――もう、間に合わないかも」
「……」
「と
「その時――」
「――ばーん」
「ティウフォル人の母艦の脇腹に~」
「大穴が開きました」
「――進軍が、止まった?」

 星系イテッミの惑星ビトガード――

「ビテッニ種族の政府は~」
「ペッニヴァレの進言にもとづき~」
「――至急、救援を要請するのだっ」
「――その新参者の種族にっ」
「――ラール人にっ」

 《ラス・ツバイ》艦内の時計で、新銀河暦1517年11月21日――

「――ごごごっ」
「《ラス・ツバイ》は~」
「〈時の膨らみ〉の手前に、到達」
「――歪んだ時間が、次第にもとに戻っている?」
「試しに~」
「ロボット操縦のコルヴェットを、送りこんでみると~」
「――ふっ」
「いつの時かへ、消え失せてしまいました」
「こうなって、しまっては~」
「――裁判官船《アトランク》には、もう戻れません」
「――〈共時性の通路〉経由で現実時に戻るのは、もう無理です」
「……」
「こうなった場合の対処は~」
「出発前に、すでに取り決めてありました」
「アトランの側では~」
「――裁判官船《アトランク》は~」
「――当初の計画どおり〈時の彼方の国々〉へ航行するっ」
「ペリー・ローダンの側では~」
「――《ラス・ツバイ》は~」
「――光速すれすれの亜光速飛行で~」
「――時間膨張効果を利用して、現実時に帰還するっ」
「乗員たちは~」
「サスペンド・アルコーヴで非物質化すれば~」
「230年程度、やりすごすコトができます」
「会合点も~」
「――銀河系サウスサイドの、ハイペロン=ガル南の近く」
「と、決めてありました」

 裁判官船《アトランク》は、〈共時性の通路〉の中を発進――

「――《アトランク》が、発進したら?」
「――〈時割れ〉が、何百kmも深くなった?」
「シク・ドルクスタイゲルさんと~」
「ゴルドロディンと~」
「《ラス・ツバイ》の艦載脳アナンシが~」
「〈時割れ〉を、調査してみると~」
「――もしかしたら?」
「――現実時に帰還するのに、使えるかも?」
「とはいえ」
「こうするうちにも~」
「アヴェストリ=パシクと、同志ラール人の一同は~」
「この時代で、何やら行動を起こしているはず」

 かくして――

「《ラス・ツバイ》は~」
「搭載艦のうちから~」
「テンシ・ズッロ指揮下の~」
「マーズ級巡洋艦《タマ・ヨキダ》――直径500m――を~」
「〈時割れ〉の近くに、残して~」
「――発進っ」
「――ごごごっ」
「アヴェストリ=パシクを、追跡するのでした」

 以下、次号

【関連サイト】
・出版社が運営するドイツ公式サイト
[ http://www.perry-rhodan.net/ ]


◆ペリー・ローダン1980

□ 早川書房:宇宙英雄ローダン・シリーズ

[2015/4/22]
495 . 幸福をもたらす者
   「オービターの未来」+「幸福をもたらす者」

 コレの当時のドイツでは……。

□ Perry Rhodan-Heft
・第15サイクル Die Kosmischen Burgen / 宇宙の城
 900~999話。
 西暦3586~3587年の事件を描く。

[1980/8/05]
989 . H. G. Francis / Die Zukunft der Orbiter / オービターの未来
[1980/8/12]
990 . Kurt Mahr / Planet der Glücksbringer / 幸福もたらすものの惑星

□ Perry Rhodan-Taschenbuch Planetenromane ポケットブックス

[1980/8]
209 . H. G. Ewers / Saboteure wider Willen / 不本意な破壊工作者

「西暦3587年――」
「サイバネティクスを理解する能力者、キロン・バラクンが~」
「星系ソルの事件を、解決」

□ Atlan-Heft
・第3枠サイクル König von Atlantis / アトランティスの王
 300~499話。
 西暦2648~2650年の事件を描く。

[1980/8/05]
462 . Marianne Sydow / Die Negativen / ネガティヴ
[1980/8/12]
463 . Peter Terrid / Die Herren von Dorkh / ドルクの支配者たち

【関連サイト】
・総合的にはこちらを:
Perrypedia
[ http://www.perrypedia.proc.org/wiki/ ]
・訳付のタイトルリストはこちらを:
Perry Rhodan-Heft のタイトルリスト
[ http://www.rlmdi.org/rlmdi/title/list/rhodan_heft/ ]
Perry Rhodan-Taschenbuch Planetenromane のタイトルリスト
[ http://www.rlmdi.org/rlmdi/title/list/rhodan_tb/ ]
Atlan-Heft のタイトルリスト
[ http://www.rlmdi.org/rlmdi/title/list/atlan_heft/ ]


◆今回のひとこと

 〈時割れ〉……「じわれ」と読んでください。


d-information ◆ 873 [不定期刊] 2015/04/27
発行:y.wakabayashi /rlmdi [ yw@rlmdi.org ]
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